学生時代の得意分野は社会科でした。
きっかけは、小学生時代のある日突然、どでかい世界百科事典が自宅に鎮座した時でした。
好奇心旺盛な少年だった私はいつの間にか、百科事典の中で世界旅行を始めていました。
綺麗な写真や、面白い挿絵に心が躍り、地図を眺めるのが好きになったのもこの頃からでした。
またある日突然、自宅に中央公論社の「日本の歴史」、「世界の歴史」がやってきました。
なにげに読み出したら、世界百科事典に登場した遺跡や記事が、時系列に整理された一つの物語となって数多く詰まっていました。いつのまにか夢中になって読んでいた自分がいました。
学生時代、京都に住んでいたことも幸せでした。
何気に存在する寺社仏閣は、本の中の世界だけだったものが、眼前に現実のものと現れたからです。
その時が、本で学んだ知識、歴史が現実世界の事として実感できた瞬間でした。
人は生きている。生きた人の軌跡が歴史となっている。
とても当たり前の事ですが、とても不思議に、また嬉しく感じました。
ご先祖様からの命の連鎖の中に自分が存在している。
自分が生活しているこの瞬間にも歴史が綴られている。
この21世紀は人類の歴史の中で、どんな意味があるのか?
歴史の中で、私の時間はどんな位置関係にあるのか?
毎日起こる社会現象が何故起きたのか?どんな意味があるのか?
未来にどんな影響を及ぼすのか?
毎日わくわくする思いで、新聞を読み、ニュースを見ています。
数百年後、1000年後の歴史家はこのニュースをどう評価してどう記述するのか?
私の生きる時間は有限ですが、歴史の流れの中では一つのイベントとして存在し続けます。
結局、人は生まれて、そして死ぬだけですが、自分に与えられた時間に感謝して、自分にしかできない歴史をつづっていける事が素晴らしいですね。