システムに会社を合わせるのではなく、会社にシステムを合わせるという"あるべき姿"に根本から変革していきました。


株式会社お菓子の香梅
広報本部 田上 智宏様

導入会社
和洋菓子製造・販売
株式会社お菓子の香梅(所在地:熊本県熊本市)

導入商品
業務コンサルティング
製菓業向け販売管理システム
ビジネスインテリジェンスシステム

案件概要
食品製造・販売における工場での発注・仕入・在庫管理から製造までの製造業務全般、出荷から店舗への納品までの物流業務全般、受注・販売・商品管理等の店舗業務全般、支払・回収・予実ほか会計管理全般を、それぞれ一連の業務フローの中で実現し、それら全てをリレーションさせた全社横断型業務管理システムを構築する。また、迅速・正確なデータ分析および情報開示・共有並びに有効活用を実現・促進する。

導入を考えたきっかけは?

当社は80年代から逸早くオフコンによる経理システム導入などを積極的に行ってきましたが、経年によるシステム自体の老朽化と、もともと出発点であった経理システムに継ぎ足し継ぎ足しする形で業務を組み込んできたため、全体の連携や整合性、効率の改善が大きな課題となっていました。

 

テクノアートを知ったきっかけ、そして導入の決め手は?

前述のように、老朽化のため、05年のリース期間終了に合わせて新システムの導入を前提に検討していた時に、「次の世代の発展に寄与する財産を」との思いを抱いていた当時の社長副島(現会長)が熊本経済同友会を通じて知ったテクノアートの松脇社長と相談をしていく内、全社的な業務及びシステムの見直しを行うべきと言うアドバイスを頂き、社内システムを一本化したシステム導入へと発展して行きました。当初、全社規模の作り直しなど想像もしていませんでしたが、システムに会社を合わせるのではなく、会社にシステムを合わせるという"あるべき姿"に根本から変革できる大きなチャンスだと捉えました。

 

導入にあたって大変だった事や「壁」は? どのように克服していきましたか?

もともと、テクノアートから具体的な提案を頂いていたのですが、自らの意識改革こそが大本だと考え、システム刷新のための部門横断的な全社プロジェクト " 新風会 " を立ち上げました。技術顧問兼まとめ役をテクノアートの松脇社長にお願いし、まずは、業務の洗い出しからスタートしました。ところが、自分たちがこれまで行ってきた仕事が当たり前すぎて、いざ洗い出すと言っても、どこから手を付ければ良いのかも分からない状態でのスタートでした。ポイントがまったく分からなかったのです。最初の3ヶ月は通常業務と兼務で本当に大変でした。しかし、何度も何度もディスカッションを重ねていく中で、例えば製造現場と販売現場、そして管理部門での考え方に大きな違いがあることなども発見出来ました。こうして地道に仕事のプロセスを整理していく事によって " あるべき業務の姿 " を一つ一つ組み上げて行きました。

この要求に対して、業務フローを視覚的に検証するための " 叩き台 " として、テクノアート側から画面ベースのプロトタイプが提供されました。徹底的に吟味した要求が画面となって、実際に見て、触って、実感として検討できましたので、以降のシステムのプランニングはスムースに進行して行きました。その裏には”新風会”に大幅な権限を委譲し「皆で決めていく」という会社のスタンスがありました。

 

導入してみて問題は?大きく変わった事は?

基幹系と情報系が統合された新システムの稼動と同時に、全社間ⅠP内線電話の導入や、以前からあったグループウェアをさらに使いやすくしたおかげで、全社リアルタイムでの情報の分析・共有や、能動的なやり取りが出来るようになりました。各店舗の売上状況が即座に分かるようになり、タイムロスの無い製造部門への発注や、製品製造・補充のタイミングも適時行われるようになりました。顕著な例では、在庫と納品の確認にかなり時間がかかっていたものが、お客様への即時回答が可能になったり、店舗からの製造発注を POS レジにて行っていたため、その最中には商品のレジ打ちが出来ずお客様をお待たせしていたなどの、今に思えば恥ずかしいような状況がしっかりと改善され、お客様からの受注機会を逃さず、かつ自信を持って接客や販売が出来るようになりました。一言で言えば、「ムリ」、「ムダ」、「ムラ」が無くなったと言えます。

また、部門間、工場と店舗、社員同士、そして何よりもお客様との間において人と人との繋がりが強くなったと、多くの社員が感じています。

しっかりしたシステムが完成すると、全てを入力しなければなりません。そこには入力者の甘えや嘘は通用しませんから、しっかりした意識と責任を持って仕事に挑む事を、自然に身に付かせる基盤になると思います。

 

満足度は? また、これからの展望とテクノアートに期待することは?

積み残した項目・課題が幾つかあります。しかしこれは私たち自身が提案できなかったものや、時間的に見送らざるを得なかったものだと認識しています。テクノアートには導入決定から業務要件の取りまとめ、導入から現在まで本当に真剣に取り組んで頂きました。その親身さは私達がシステム開発会社やその人材に対して今まで持っていた先入観を見事に打ち砕いて余りあるものでした。

今後は、これらの事柄も含めて、よりお客様との繋がりを深めるためのもう一歩踏み込んだ顧客管理や、現在の「生産管理」から店舗と工場が一体となって、より効率的に稼動できるようになる「管理生産」への進化。更にはお菓子の製造レシピや熟練の職人のみが持っていた " 勘 " などをデータベース化して蓄積し、後進達へ伝達・伝承できる共有財産となるようなことを考えています。これからもテクノアートのモットーである「サプライズ提案」にて支援を頂ければと思います。

 

株式会社お菓子の香梅 様のご紹介

"お菓子は平和の使者"…をモットーに昭和24年、熊本県熊本市にて創業。昭和33年に発売した銘菓「誉の陣太鼓」は当時、一日50個程度であったものが現在、年間100万個近い出荷数を誇る熊本を代表するブランド菓子となった。
地域にこだわり、企業理念である"くつろぎのごちそう"のもと、もう一つの代表銘菓「武者がえし」を初め、数々の和菓子・洋菓子から引き菓子まで多岐に渡る商品を開発・製造・販売している。
熊本県内の30数店の直営店舗にての販売の他、オンラインショップなどにて全国のお客様からの好評も得ている。 また、全国菓子大博覧会などにおいても数々の賞を受賞している。

株式会社お菓子の香梅